隆君には見えない女の子なのか?
3人には女の子が見えるんだから、隆君は目の病気かもしれない。
異常が見つかったらすぐに病院、目は非常に大事、救急病院は
どこにあるか、僕は少し考えていた。
「佐粧さんの右横に、お利口に立っている」
つきこさんはつきこさんに見えている事実を、隆君に告げた。
「わあああ、いた!秀行君の作る飴の【もも味】色のワンピース!」
僕(秀行)がたまに作る【フルーツの飴】のことだ。
確かに【もも味の飴の色に似たワンピースの女の子】だ。見えたね?
ずっと隆君の後ろでしゃがんでいたんだよ。
前向きな隆君は【前】ばっかり見る。
隆君はどうやら知神君が幽霊を連れて来たと信じ込んでいた様だ。
コワイ童話はこの女の子の話じゃないと思うけれど。
「知神さん、この子は受付に連れて行けばいいの?わたし行きます」
「ありがとう。下のスーパーから一緒に坂を上がって来たんだ。この子
名前はつみれちゃんて言うみたい」
知神君は名前まで知っているんだ。一緒に歩いた証拠みたいなものだね。
「つみれちゃん、おばさんと一緒にお家に帰ろうか」
「つきちゃん、受付の奥がお家みたいです。僕も行きましょう」
知神君はそう言うが、ここは涼しいし、心地よい。折り紙もある。
少し休ませてあげた方がいいのかもしれない。身長は100㎝位なのだ。
小さい。知神君の足位の背の高さだ。知神君は足が長い。
隆君はクレヨンと画用紙を出して来た。問題を起こさない子は可愛い。
子どもらしい顔でニコニコしていて、危ないことをしない子は
【子どもといる時にどうしたらいいのかわからない大人】には、
可愛いのだ。困らなくてすむからだ。
(注:大人都合だ。子どもが苦手だから思うんだろうな)
しかし本当に【つみれちゃん】と言うのだろうか?
おでんとか鍋物に入れるつみれ?
お魚のお肉の団子の名前を娘につけるかな。
「パパも、いっしょにいくー」
つみれちゃんが何か不思議なことを言っている。
「秀行君、一緒に行って。つみれちゃんの気がすむようにね」
隆君の方を見て、つみれちゃんはお話しした気がするのだが。
「佐粧さん、つみれちゃんは佐粧さんを見て言っています。パパって」
「姫、僕はパパになる様なことしていない。9年前くらいから全くだよ」
10年前位でいいのに、何で9年前なんだろう。生々しい気がする。
「男の人はみんな、パパなんじゃないのかな?言葉の数の関係で。
大きい子だけれどもしかしてまだ満3歳になっていないかも。実は
ぼくは帰り道ニータンて呼ばれましたよ」
「知神君、それは【おにいさん】の意味でしょう?たぶん。ズルイ」
隆君も頭では【自分の年齢は20歳の子どもがいてもおかしくはない】と
思ってはいるのに、やっぱり子どものリアル感は怖いみたいだ。
つみれちゃんは知神君から受け取った麦茶を、コップに1杯全部飲んだ。
子どもが坂を登ってきて、喉が渇いていると気が付いたのはつきこさんだ。
つみれちゃんは【モーモー】と言いながら僕達が【誰なのか】教えてくれた。
以下は一覧表。
*つみれちゃん(たぶん3歳のお誕生日が近い女の子)の【誰は誰】
自分のことはつみれちゃんと言う。いくつと聞いても首を曲げて
指の体操の様なことをずっとしている。
知神君・ニータン
つきこさん・モネーサン
僕(徳浜秀行)・ニータン(なぜなのか、知神君と同じ)
佐粧隆・パパまたはパッパ(何回も聞いた)
ガーン、という表情の隆君がいる。48歳でもうすぐ3歳位の娘がいたら
ある意味すごい幸せ者だよ。48歳は生意気な大学生男子の親の年齢だ。
そして、つみれちゃん位の孫がいてもおかしくはないんだから、
いいじゃないか。とは思うが、言えなかった。
意地悪すぎるから。僕が言われたら泣くから。
【何で秀行君と知神君が同じなの?ニータンてお兄さんじゃないかも。
種類の問題かもしれないじゃないか。それともう1つ考えられるのは
つみれちゃんには2人が1人に見えるんじゃないの?】
また隆君が怖い話を始めてしまった。
続く