2002年8月は1泊2日の夏の怖い童話・4

隆君には見えない女の子なのか?

3人には女の子が見えるんだから、隆君は目の病気かもしれない。

異常が見つかったらすぐに病院、目は非常に大事、救急病院は

どこにあるか、僕は少し考えていた。


「佐粧さんの右横に、お利口に立っている」

つきこさんはつきこさんに見えている事実を、隆君に告げた。


「わあああ、いた!秀行君の作る飴の【もも味】色のワンピース!」

僕(秀行)がたまに作る【フルーツの飴】のことだ。

確かに【もも味の飴の色に似たワンピースの女の子】だ。見えたね?


ずっと隆君の後ろでしゃがんでいたんだよ。

前向きな隆君は【前】ばっかり見る。


隆君はどうやら知神君が幽霊を連れて来たと信じ込んでいた様だ。

コワイ童話はこの女の子の話じゃないと思うけれど。


「知神さん、この子は受付に連れて行けばいいの?わたし行きます」


「ありがとう。下のスーパーから一緒に坂を上がって来たんだ。この子

名前はつみれちゃんて言うみたい」


知神君は名前まで知っているんだ。一緒に歩いた証拠みたいなものだね。


「つみれちゃん、おばさんと一緒にお家に帰ろうか」


「つきちゃん、受付の奥がお家みたいです。僕も行きましょう」


知神君はそう言うが、ここは涼しいし、心地よい。折り紙もある。

少し休ませてあげた方がいいのかもしれない。身長は100㎝位なのだ。

小さい。知神君の足位の背の高さだ。知神君は足が長い。


隆君はクレヨンと画用紙を出して来た。問題を起こさない子は可愛い。


子どもらしい顔でニコニコしていて、危ないことをしない子は

【子どもといる時にどうしたらいいのかわからない大人】には、

可愛いのだ。困らなくてすむからだ。

(注:大人都合だ。子どもが苦手だから思うんだろうな)


しかし本当に【つみれちゃん】と言うのだろうか?

おでんとか鍋物に入れるつみれ?

お魚のお肉の団子の名前を娘につけるかな。


「パパも、いっしょにいくー」

つみれちゃんが何か不思議なことを言っている。


「秀行君、一緒に行って。つみれちゃんの気がすむようにね」


隆君の方を見て、つみれちゃんはお話しした気がするのだが。


「佐粧さん、つみれちゃんは佐粧さんを見て言っています。パパって」


「姫、僕はパパになる様なことしていない。9年前くらいから全くだよ」

10年前位でいいのに、何で9年前なんだろう。生々しい気がする。


「男の人はみんな、パパなんじゃないのかな?言葉の数の関係で。

大きい子だけれどもしかしてまだ満3歳になっていないかも。実は

ぼくは帰り道ニータンて呼ばれましたよ」


「知神君、それは【おにいさん】の意味でしょう?たぶん。ズルイ」


隆君も頭では【自分の年齢は20歳の子どもがいてもおかしくはない】と

思ってはいるのに、やっぱり子どものリアル感は怖いみたいだ。


つみれちゃんは知神君から受け取った麦茶を、コップに1杯全部飲んだ。

子どもが坂を登ってきて、喉が渇いていると気が付いたのはつきこさんだ。

つみれちゃんは【モーモー】と言いながら僕達が【誰なのか】教えてくれた。


以下は一覧表。


*つみれちゃん(たぶん3歳のお誕生日が近い女の子)の【誰は誰】

自分のことはつみれちゃんと言う。いくつと聞いても首を曲げて

指の体操の様なことをずっとしている。


知神君・ニータン

つきこさん・モネーサン

僕(徳浜秀行)・ニータン(なぜなのか、知神君と同じ)

佐粧隆・パパまたはパッパ(何回も聞いた)


ガーン、という表情の隆君がいる。48歳でもうすぐ3歳位の娘がいたら

ある意味すごい幸せ者だよ。48歳は生意気な大学生男子の親の年齢だ。


そして、つみれちゃん位の孫がいてもおかしくはないんだから、

いいじゃないか。とは思うが、言えなかった。


意地悪すぎるから。僕が言われたら泣くから。


【何で秀行君と知神君が同じなの?ニータンてお兄さんじゃないかも。

種類の問題かもしれないじゃないか。それともう1つ考えられるのは

つみれちゃんには2人が1人に見えるんじゃないの?】


また隆君が怖い話を始めてしまった。


続く