2002年度・知神君のお誕生会・3

2002年7月19日(金)カラオケスタジオの1番大きい部屋で

知神翼の誕生会。今はなぜか佐粧隆と2人で来てくれる人を待つ。

午後7時半からお誕生日会の予定らしく、今は1時間位前か。


「知神翼君、椅子に座っていなさい。今日は誕生日でしょう?」


今日も手伝われるのは嫌だと言うことがわかったので、ぼくはまた椅子に座って

食べ物のメニューを見ていた。文庫本でも持ってくれば良かったのかな。

通信(通信教育・知神は美容師学校の通信教育を受けている)の教科書も

【お祝いしてくれる人に、何か失礼な気がして】持ち歩いていない。

1分位すると佐粧さんは来た。


「終わった。何か少し食べよう。なあにこの【温かなおつまみ】って」


「焼いたじゃが芋とか、レンジで温めた冷たいスープとかじゃないですか?」


「ここに書いてあるものを冷ましたのは【冷たいもの】メニューにあるんだね?」


「温かくないのなら【温かなおつまみ】にはないと思います」


「僕もそう思うけどねえ」

佐粧さんとこういうやりとりをするのは至福の時だ。大げさに言えばね。


知ってて僕を試したくて言っているのか、本当に知らないのかを、

見極めたくてぼくもよくしゃべる。共通の話題を前面に出すと仕事に

つながってしまうから、こんな話題は休まる。


「【冷たいもの】なら【最初から冷たいもの】だと思いますが」


「そうね。アイスコーヒーを温めてもホットコーヒーは作れないね」


ぼくは首を縦に何回か動かした。その意見に賛成すると言う意味だ。

ものすごくわかります、もうそのとおりです、と言うわけではない。

むしろ意味不明なことには言葉を使わない方がいいとさえ思う。


「ぼく注文しますよ。決まりました?」


「蟹クリームトマトスパゲティーは重いかな?」


「いいんじゃないでしょうか。量少ないですし、フェットチーネって

きしめんみたいで重い感じはしないです、ぼくは」


僕は知らないが色々と準備してくれているのだ。ここは持ち込みOKだし。

時間が来たらケーキも運ばれてくるのだろう。

何人か(誰かわからない)で、ここで夕食を食べるはず。


それからカラオケして終わりだと思う。食事はきちんととるだろう。

この店に注文しているにしろ、誰かが持って来るにしろ、とにかく

お腹がすいたままの人は返さない佐粧隆。


自分の側にお腹の空いている人がいることが1番辛いと言う人だ。

そこからしてもう、常にリーダーだ。Adalheidisのリーダーじゃないときも、

その他の場所でも何人か集まると何か発言し、発言に責任を取る人だ。

生涯そう言う役目なのか?リーダーじゃなくてお兄ちゃんなのかな。


「ちーちゃんは何食べる?」


「ぼくのバッグの中にバナナがあります。バナナにします。2本あるから

1ついかがですか」


「そっか。スパゲティーが足りなかったらちょうだい。

じゃあ注文お願いします。自販機に行ってくるよ。何がいい?」


「佐粧さん、目立ちませんか?」


「営業マンに見えない?」


カラオケ屋さんに入っておいて、受付もちゃんと通過してきて、ここで

佐粧さんに大丈夫ですか、目立ちませんかと聞くぼくも間抜けだが。

自動販売機は1階のエレベーター横が一番多い。受付のある場所近し。


高校生が来たりするんだよね。洗練された制服のお小遣いたっぷり系の

優雅なお家のお子さんぽいけれど、はしゃぐしゃべるの年代。

ぼくは平日夕方5時ごろに来た時に、出くわした。

(その時のことは、思い出すと長くなるので今度にする)


「営業マンと言うよりは、20年以上経験のあるスカウトマンに見えます」


「僕、目玉がぎらついているのかな。高柳にもそんなことを言われた。

それはともかく何飲みたい?」


「牛乳ぽいもの、なかったらリンゴジュース果汁少しでも入ってたら」


ぼくはスパゲティーを内線電話で注文した。ここのトマトペーストは美味しい。

5月に佐粧さんは【この味は初めて食べた】ってキャッキャキャッキャと笑っていた。

その後、喫茶店やイタリアンレストランで同じようなのを食べたらしいが、ここの

カラオケスタジオのが1番気に入ったみたいだ。


ここのは冷凍食品かもしれないけれど、それでも強敵の専門レストランのものより

佐粧さんとぼくは好きかもしれない。気楽に食べられるからだ。

冷凍食品て業務用から進化していくんだろうな。そのうちバラエティ豊かな温める

だけの美味しいものがもっと普通に売られるね。


ぼくは冷凍食品を自分の生活に上手に取り入れたい。

選択肢が多いと悩みすぎる体質だから、未来はどうなるかはわからないけれど。

冷凍のたこ焼きはとっても美味しい。ぼくは上手く作れないしありがたい商品。


末竹君にタコ焼き機をもらったんだけれど、年2回位しか使わない。ガッカリ感は

味わえるけれど、味わいたくはないもの。