知神翼の翼をしまうカバーがない・1

2025年8月7日(木)22時36分、書き足し書き直しを再投稿。


末竹君が、コソコソしている日々。まるで隠れキャラ。


2002年・7月始まり


「姫はまだ?遅いよ。迎えに行こうか?」

佐粧さん(佐粧隆)は、まるで口癖のようにこう言う。


つきちゃんを巻き込むと、つきちゃんが辛い騒ぎになるからやめてくれって

秀行さんに言われているのに。誰も身内は誤解なんかしなくても、次の日

からつきちゃんは嫌な思いをする。


ヒット曲のあるもうすぐ30年選手の音楽家で、今だ独身、甥や姪はいない、

そんな人が愛車に女性を乗せていたら色々とおかしな噂がね。


(たぶんもう週刊誌は佐粧さんを狙わないと思うけれど、佐粧さんは以前

【何も知らない・真実を知りもしない】雑誌の人達に、色々と書かれた。

佐粧さんと無関係の女性を出された。それは気持ちよいものじゃないよね。

その後、その週刊誌に謝罪文を掲載させた佐粧さんのパワーはすごかったが

誰にでもできることじゃないと思う。

ウソ話って現実にいくらでもありそうな話だから、皆信じてしまうんだ)


つきちゃんが困る様なことはしない佐粧さんだから、頼まれない限り

お迎えに行くなんてことはしないが、口だけは出したいのだ。毎回。


つきちゃんの会社の人ならば芸能関係には慣れている。

女優さんもたまに出入りする化粧品会社。多くは会社のポスターのモデルさん達。

たまにくる女優さんは、香粧品やウィッグを会社で保管しているらしい。


ぼくたちAdalheidisは、つきちゃんを借りていく。一緒に仕事をするから。

つきちゃんは、ぼくらの専属のヘアメイクさんだから。

これは佐粧さんがつきちゃんを依怙贔屓したわけではなくて、よく知らない

時にたまたま偶然お願いしたら、つきちゃんだったらしい。

ぼくは、【半分は正しくて、半分は言い訳】のように聞こえる。

今となってはどうでもいい。ぼくもつきちゃんがいないのはさみしいから。

ツアーにも来てくれるようになった。秀行さんが安心する方法を見つけた

佐粧さんはお手柄だと思う。この話はまたすぐに。


ぼくは。つきちゃんに美容師通信教育の手助けをお願いしたから国家試験は

図々しく1回で受かるつもりでいる。通信教育からだと1回で受かるのは

難しいらしいけれど、教えてくれた人の気持ちまで持って臨みます。

書き足すことだらけになってしまった。


つきちゃんのいる会社は色々な技能を持つ社員がいるし、会社にスタジオも

あるから雑誌取材なんかには便利なのだと思う。つきちゃんはすぐ辞めちゃうかと

思ったのに12年目だ。元気で頑張っていて素敵だと思っている。

(ぼくはつきちゃんが辞めたらいいとは一度も思ったことはないが、まだ周りの

女性はこの時期、会社に1年から3年勤めて、寿退社が多かった。90年代後半までは)


会社自体は小さいし、CMは見かけない(少なくともTVラジオには流れていない)

ちょっと固い地味な小さな化粧品会社がつきちゃんの勤務先だ。


「つきこさんならもうすぐ帰ってくるよ。同じ会社の人とお茶してすぐに

帰ってくる予定。つきこさんに相談があるみたいだよ」


秀行さんは【つきこさん】というお嫁さんを好きで好きで大切で。それはもう

10年前から変わらず。今でもつきちゃんを「ぼくのお雛様」と言う。


「あー、その同じ会社の人が男性なら僕はその人を許さない」

佐粧さんてこういうことを言う時は笑わないんだ。つきちゃんの旦那さん

(秀行さん)の親しい、友人以上の存在で、つきちゃんとも友達ではあるけれど。

恋人でもないのに毎回つきちゃんのこととなると熱い。


「男の人?もしそうなら僕も嫌な気分になるとは思う」

秀行さんもなかなか難しい人だ。最近そう思うようになった。立派な人なのだが。

つきちゃんのことだと、ぼく達がいても泣く。それ以外はぼくの理想の兄っぽい人。

ぼくは1人っ子なので「兄」や「姉」や「妹」や「弟」というのは憧れで謎だ。


まあ佐粧さんはほぼ父か兄の様な人なのだと思うが「普通の人」から、優れた兄が

欲しい。佐粧さんの成り立ちは【良い意味で考えても】普通ではないので。

秀行さんも並の男性ではないのだが。秀行さんは同じ町の1丁目、ぼくは4丁目で

育ったので、少しばかりは似ているところがあるかもしれない。


2人共、つきちゃんを守りたい気持ちが【ファンタジーの世界】だ。

その意味は、ゲームに例えると魔法を使える騎士で商人なのだ。2人共。たぶん。

吟遊詩人の成分も多く入っているかもしれない。つまり一人3職的な。



「でも、つきちゃんが会っているのは後輩の女性なんでしょう?」

ぼくも話に加わらないと。とってつけたように確認の言葉を秀行さんに投げる。


「そう。でも【この家に入れたくないから会社近くのコーヒー店ですませる】

ってつきこさんは言っているよ。連れてくるのはつきこさんも嫌みたいだね」

ああ、それなら秀行さんも守られているんだよ。


つきちゃんも秀行さんが好きで、他の女性を家に入れたくないんだ。

秀行さんが自分の連れてきた女性を好きになったらどうしようって思うんだろう。

(これはぼくの勝手な想像だが、あたらずしも遠からずってところだった)