続きのEではありますが標記について。
知神翼は「ぼく」です。ひらがなの「ぼく」です。
「僕」は佐粧隆や、徳浜秀行です。
結論から言うと、ぼくの翼は横に広がっていて不格好(2002年時点)
写真だけで見たら、ぼくは佐粧さんの売り出し方のとおり【天使風味】に見える。
「しばらくは能天使(パワー系)で」とのことだけれど、ぼくのどこに天使の
要素があるのだろう。年だって取る。ぼくは41歳でAdalheidisの1人だ。
毎年、厳しいと思うけれど、写真は加工しているからそれらしく見える。
厳しいのは、写真を撮る時の格好だ。
*知神君の見た「学」さんと、彼の勤務先。前回からつながっている世界。
学・秀行さんの父方の従姉の息子。秀行さんのいとこおい。
九州育ち。父親の経営するレストランで働いていた。
関西に会社経営をしている奥さんがいる。奥さんとは仲が良く子供はいない。
ある時期からずっと離れて暮らしているが、仲良し夫婦なのだそう。
休日にはよく会うみたいだ。家とは限らず相手の出張先とか、中間地点とかで。
東京に上京後の学さんは、飲食店のオープニング時の助っ人調理スタッフなど、
フリーランスで働いていた。でも、調理の仕事をしているだけではない気がする。
2002年現在、学さんは30歳位。パブ(ゲイと女装の男性が接客するお酒の店)の
厨房にいる。調理と、お酒の管理もしている。洋食の料理長も可能な人だが、この
パブでは屋台の食べ物の様なものが中心だ。腕が泣きそうだ。
接客の従業員よりも、権限が大きいように見えた。調理の人だけれど何という
仕事なのか、どこまで何をしているのかは、ぼくにはわからなかった。
(ちなみにパブでは知神翼はあきらかに退屈していました。女性ではなく
男性が接客してくれる店でも、知神君には等しく苦手なお酒の店)
「え、せっかくタクシーで行ったのに薄い水割り1杯ずつでお酒はやめたの?」
秀行さんが笑っている。
「たぶん2人で50ミリリットルしか飲んでいないよ。テルさんと橙さんがついて
くれたんだけどね、テルさんが【うちのウーロン茶はわざわざお店のキッチンで、
茶葉からコトコト煮だして作るのよ】って言うから、じゃあウーロン茶飲めって
ことだなって、大きなピッチャーでもらって飲んでいたんだ」
当日は前日のも含めてウーロン茶が余っていたみたいだったから、佐粧さんと
ぼく2人で2リットルは飲んだ。お茶なんて冷蔵庫保存で2日位がいいところか。
「お酒のウーロン割りじゃなくて、ピッチャーのウーロン茶を2人で飲んでたの?」
「そう。結構しょっぱいものが多くて。焼きそばと、辛いソーセージ炒めも食べた。
チャームがキュウリの浅漬けだったから。学ちゃんがチョコを出してくれたよ。
お酒は頼まなかった。ウーロン茶のみ」
「つきこさんと僕はね、もう行かないつもりだったんだ。ボトル全部飲んじゃえば
よかったのに。ちなみにつきこさんは大丈夫だよ」
秀行さんのボトル、飲まなければ1杯ずつ飲むお客さんに使うんだろうな。
「それはね、僕も考えた。もし、愉快なところなら学ちゃんもいるし、様子見て
僕も1本入れるつもりで飲んじゃおうってね。飲むより食べた気もする。
知神君と行ったけど、なんかモヤモヤした。姫が心配になった。雇われママでも
ママだから、腐っても鯛だった。ママは変なノリで常連には喜ばれていたけど」
このパブでは、都心や関西の有名なお店の様なショーはないのだ。
光(テル)さんも橙(だいだい)さんもなんとなくひっこみじあんの雰囲気。
従業員は全員、疲れていたのかもしれない。初めてのお店はよくわからない。
【失礼なことをしないように】位しか、考えられなかった。
例えば、故郷のことを聞くとか。嫌な思いをした記憶があるかもしれない。
でも考えすぎた。こんなこと誰にだって初対面で聞くことじゃない。
やはり気を使う。楽しいとは思わなかった。
光さんがたくさん話をしてくれて嬉しかったけれど。橙さんも。
カラオケをやっているお客さんにスモークを出す時、ママは舌をべろべろと
出して動かして女性客に襲い掛かるような芝居?をしていた。見どころ?
お客さんはキャーキャー言って喜んでいたが、ぼくは別に楽しくはなかった。
常連さんには楽しい裏話とかあるのかもしれない。
なぜママがスモークの時に、その仕草をするのかわかったら面白いのかな。
帰りのタクシーの中でそれに関することを佐粧さんに聞いたら
「米国のあのハードロックバンドが好きなんじゃないか」とつぶやいた。
佐粧さんが、パブの飲み代を払ってくれた。
ぼくはパブの帰りの「ちゃんぽん・皿うどん」のお店の食事代を払った。
佐粧さんは激しくお腹が空いたらしく、ぼくもラーメンみたいなものが急に
食べたくなって、深夜に開いていたお店に入ったのだ。
佐粧さんの支払いの1/10以下だ。でも、同じステージに立つのに、全く
何もかも支払いをお任せっておかしいとぼくは思う。気持でも出すのと
出さないのでは【ぼくの心が】違う。
あの日は、ちゃんぽんのおつゆを全部飲んじゃった。お水3杯飲んだから
塩分は薄まったことにしようと考えた、頭の悪い記憶がまだある。