1999年・隆君の落ちつかないグリーン車

1999年6月29日(火)

電話中なのです。お疲れの佐粧社長。


「指定席が良かった。グリーン車に乗ったらね、某区議会議員と

シャンソン歌手がいて、別々に声かけられた。2人共僕を知っていた。

感じが良くって礼儀正しい2人だったけれど、僕は寝たかったし、

気持ちが子供になっていたから怖かったよ。2人で合計30分も使った。

周りの人から咳払いとかあれば、ごめんなさいして話を止めたのに。

【指定席】ならいつも誰にも何も言われないから久しぶりに緊張した。

でもそれは僕個人の事情だからね。いい人達だけにスゴイ我慢した」


「なんで声かけて来たんだろうね。名刺が欲しかったのかな。

ミーハーなのかなあ。落ちつけるのがグリーンだと思っていた」


「しゃべる人なんていないと思うだろう?いるんだよ。

眠る人も多いのに。混んでいなかったら僕はやっぱり指定席がいい。

あの時は佐粧社長の時間じゃなかったのに」


「そうだった、ごめん。僕はいつも最初にAdalheidisのギタリスト

の佐粧隆さんで、よく思い出すと高校大学同じ、隆君てなる」


世の中には芸能事務所の社長(バンドが多い)だと思っている人も

いるんだった。もしかしたらカメラマンとか踊りの先生だ、とか

思う人もいるかもしれない。


「ギタリストだから若い女性は避けたい。理由は人ごみに押されて

女子と手が触れただけで、ムカデとか毛虫みたいに嫌われた上に

それが広まったら、嫌な人まっしぐらだ。僕を知神と末竹とセットで

覚えてくれて、サインして下さいの中高生はいる。ご新規さんだ」


「新しい若いファンもいるのは僕は不思議じゃないよ」


「知神末竹の見た目も関係しているよ。大事そうに知神が表紙の

マリイザから切り取った知神をラミネート加工してた。衣装の

フィッティングの帰りに見た。3月」


「高校生くらいの子?」


「そう。おじさんて認識してもらった方が、ラクと思っちゃう半面、

昔のアルバムの中の、ファンしかもう【曲名】知らない様なのを

知ってまーすとか頑張って声出して言われると、ありがたい。

かなり嬉しいわけ。何も出来なくても手ぐらい振るよ」


手を振る?見たことないんだけれど。逃げ道確保しているし。

ああ、でも握手やサインじゃないんだ。


「それは嬉しいだろうね。自分に手を振ってくれてるって」


「いつもいつも常にできるわけじゃなくて。する方がいいのか

しないほうがいいのかわからない」


「うん、気持ちに余裕がないと大変だね」


「だけど僕が社長に見える人は最初からお話ししたいみたいで。

おじさんとおじさんで話だよ。それでまたこのおじさんからはね、

乗り物走っているから逃げられるものじゃないんだ。捕獲される」


どっちの方面から誰が来ても、隆君を知っている人は多い。


「隆君は、寝ながらチョコレート食べるギタリストで、まだ30代後半。

知神君を基準とすると知神君は34歳ね」


「何言ってるの?」


「末竹君が29歳、隆君はやっと39歳位。イサさんは最近を知らないから

ごめん。毎回毎回若いって聞き飽きたよね。年齢のことも。でも

つきこさんに聞いたら世間ではその位だと思われているらしい。

僕もそう見える。年齢とかあってないような世界に見える。だからー」


「なあに?」


「中学生や高校生は隆君がおじさんでもおじさんに見えなくても

好きなんだよ。ギター小僧も、美形だから好きな人も、声が好きな

人もいるし、曲が好きな人もいるんだから」


「前程こだわってはいないよ。おじさんと言う言葉も使い慣れた。

人に言われるのも平気だと思っていた」


そして佐粧隆は明日の夜家に来ることに。お決まりのパターン。


隆君は実家のことでもダメージを受けたらしい。