隆君は隆君で、この家に電話をかける 99年6月

1999年6月29日(火)僕は文字通りの和菓子屋さん


人間の雰囲気が消える隆君だが、電話で話すと人間だ。


僕が学んだことは、隆君は子供の頃から人の数倍何かをやるのが

当たり前になってしまい、(子供の頃はまだ2倍くらいから勉強や

お稽古が始まったと思う。そしてそれが増えてもこなせるように

なったまま成長して、弾みがついた感じだ。仕事も激しく働く)


スゴイとは思うが全く羨ましくないよ。しんどそうで。


隆君の本業はギタリスト。音楽家。さすがに徹夜はやめた様子。

特技なのか?体に悪いと思うけれど、夜中にチョコを食べる。


今は体は細いし、健康そのものな検査結果だったな。

(要求しないのに検査結果を見せてくれる。僕が見たって全く

わからないけれど、説明がついているからまあ何とか)


最近分かったことで、驚いたことがある。

ベッドのサイドテーブルにチョコの箱とお茶を用意しておく。

そして夜中に食べるらしい。計画的「夜中のチョコタイム」だ。


しかも起きた時に、マウスウォッシュまで使って、きちんと

歯を磨くらしい。フロスは朝だって。


脳内に色々浮かんでしまうが、まずはお礼だな。


「母がお土産ありがとうございました、秀行の代わりにお手間を

かけさせて。美味しいものをどうもありがとうって」


「なあに?秀行君の代わりって。死んだ息子の代わりとか?」


「息子の僕は生きているが、僕からのお土産は、ないって思っている」


「え?可哀そうなのは誰?」


僕がいなければ母かもしれないが。


「つきこさんと僕と2人で選んだのを持って実家に行ったのにな」


「わかった。姫が選んで買ったと思ってるんだ?」


「そう。何だか信用がないの。でもまあ、8月は働くし」


「いいなあ、僕は7月だって働くんだよ」


つきこさんが笑っている。アイスはしまっておいてくれた。


「僕だって7月も仕事はある。あのね、休み以外は働くよ」


「8月はどう働くの?」


「僕の周りで起こることとして、隆君のコンサートに等しいのは

ないけれど、年相応に振舞わないとその後の1年やりにくい」


「うんうん。夏のお祭りだね。行く。僕はいく。あれはさ

なんか中毒になる。あー1丁目の番が来たか」


休みが欲しい人がなんでわざわざ23区内とは言っても、商店街の

お祭りに?このままだとあと10年以内でなくなりそうだけれど。


「今年は僕は、お店1つとイベントの手伝いやることになった」


「それは、あれ、ほら、プロデュース的な?秀行君が指導した

お店を出す人がいて、イベントも秀行君が企画とか?」


「それは有名菓子店オーナー社長でお店がいくつもある人。

間違えて一緒にしないでほしい。僕はイベント企画の能力もない」


「僕は今から頼まれたら、綱渡りとかしたいな」


「綱渡りは、首に何かあったら後々困るよ?」


「そうだ。収録と音夏公演があったんだ。練習もうっかり

出来ないね。ごめんごめん」


出すお礼がありません。恐ろしい。