【超・お内裏様】より、ごく普通のお内裏様へ電話

1998年4月15日(水)今日のことは今日すませたい


ローカルな話題でぼそぼそ話す2人


「これは、何で僕が入っているのかな?」


〇町1丁目には18歳からの男子がそこそこいるはずだ。

どうして今年44歳の僕が入っているのだろう。

しかも2位に入っている。20位からなのに。おかしい。


「わたしは、順位はあっていると思うの。むしろ1位でも

いいんじゃないかとは思うんだけれど。秀行さんみたいな人

ここらへんにいないでしょう?

わたしがここに来た時を思い出すと、私服の秀行さんは

感じが良くて見た目も良くて、スーパーでも目立っていたし」


僕は忘れる。覚えていてくれるつきこさんがいるからね。

5年位たつと、色々周りも変わっちゃうから、あんまり僕は

気にしないことにしたんだ。


「問題は1位の【いつかの蕎麦屋さんの出前の人】です。

どう考えてもこれ、佐粧さんでしょ【特徴はすらりとした

体型。180㎝近い身長。キラキラとかがやく彼はダンサーに

見える。出前の腕はスゴイし所作も美しい】って見てた人が

いたのかな。秀行さんが1位じゃなくて悔しいなあ」


確かにそれは夏の出前バイトをした隆君だと思う。


「これは犯人探しをしても見つからないし、好意的なことを

書いてあるから良しとしよう。字はワープロみたいだし印刷所は

使っていないと思うよ」


「秀行さんがそれでいいのならそうしよう」


つきこさんはチェシャ猫のように笑った。

それでよくないのならどうしたのだろう。僕を1位にするために

作成者を探し回っちゃうのだろうか。なんか顔が赤くなってきた。


つきこさんは怒っているわけじゃないみたい、でもこんなの誰が

作るのだろう。5枚位しか刷っていないかも。もしかしたらコピー機?

僕は紙を調べようとしたら、電話がかかって来た。


リーン・ベルベルベルベル

(つきこさんを夜の電話に出さない。相変わらず僕が1度受ける)


「はい」


「秀行君、なんとなく昨日2人共、おどおどしていたから。何でか

僕は気になった。スピーカーにして姫にも聞かせて」


「そう?僕はおどおどしていたっけ」


「末竹と知神は秀行君を、穏やかで静かなとか、いいように思って

いたから大丈夫。ただでさえ2人は無料で秀行君に教わったし。何で

2万5千円ずつ取らなかったの?2人は喜んで払ったと思うよ」


何?2万5千円て言う生々しい数字。1時間のロスカスターニエの

上級認定講師の時間かしら。僕は10分位、2人と遊んだだけ。


「やだなあ。僕がそんなに素晴らしいこと教えられるわけが」


「昔でも何でも、秀行君は人に教えたことがある。あとあの2人も

秀行君と同じで、1人コツコツと頑張って上達した子達だから。

【ほんの少しばかりだけれど天才の気のある僕】が教えるより

胸にしみこみやすいんだと思う。その先は僕の出番になる」


「最初からこうだよって伝えないの?」


「皆、ライバルだもん。だから僕は悔しいの。僕だけ秀行君に

教わってないじゃないか」


「昨日の練習は隆君には、もう、はるか昔に通り過ぎている

音だったと思うけれど」


「そうだ。色んな音が耳に入ってくるから、姫は大変だったね」


「つきこさんのところ新しい人が2人、入った。細かいことだけれど

色々あるみたい。つきこさんも当分、肩の力を抜けないみたい」


「寺井君は次長から部長になっても都内企画なんだよね。課長が

ずっと座ってお茶飲んでる様な人なんだって。申請書出しにお茶菓子

持って行って来ようかと思う。本当だったらいじめてくる」


隆君は社長なんだからバカなことはしないと思うけれど。

相変わらずフットワーク軽いんだなー。