1997年1月9日(木)来週の火曜日に急に?
来週の水曜日、1月15日の僕の休日は「成人式」
と、重なる。実はつきこさんの実家に人が集まって
新年会。豪華な顔ぶれの中、僕は食事を作る。
つきこさんのお父さんとお母さんは僕の父母でも
あるので、お年玉的なものを渡すのが楽しみ。
つきこさんの兄の陽さんにも少しばかりのお年玉。
(僕の義兄だがお兄さんとは言えない。だって11歳も下。
大卒後に社会人から学士編入で、今は都内某国立大医学部生)
僕は隆君と同じ都内の某私立大・文系だったので
理系の人、医師になる大変さは聞いているだけのことで、
本当のところは全くわからない。
1つだけ嬉しいのは、陽(ミナミ)さん、つきこさん、
隆君も僕も、高校は同じだった。しかし僕や隆君の頃より
陽さんやつきこさんの時代の方が少し難しくなったみたい。
「ひでゆきさん、おかえりなさーい。お疲れ様。
ただいまー。わーラーメンのいい匂いがするー」
「つきこさんのしたくが終わったら麵茹でるね」
つきこさんは、手を洗い、うがいをして、洗顔した後
足を洗う。靴下を洗濯カゴに入れる。お友達が靴を脱ぐと
食べられない塩ピーナッツの様な臭いがしたらしい。
床に座ると、自分の足の匂いを嗅ぐつきこさんが可愛い。
「つきこさんの大根のきんぴら?もらうよー」
「うんうん、トマト買ってきた。1個ずつ食べようよ」
玄関に9玉入った箱があった。スーパー行ったのか?
明日のサンドイッチ用の薄い豚肉に、鶏胸肉もある。
ありがたい。パンはまだ冷凍のがあるし。
ほうれんそう、ちくわ(1番安い奴、切らない)、海苔。
乾麺のラーメン(袋麺ではなくて、麺類のコーナーにあった)
スープは醤油系で、あとは調味料と僕の作った出汁。
「来週の火曜日、急に【都内専属】として呼ばれたの」
「KYO(隆君)だね。遅くなるの?」
「午後2時には終わるとか。急にどこかのグループの誰かが
体調崩したとかで」
「風邪じゃないのかもね。火曜には治るはずだし」
「わたしに知らされたのはそれだけ。何でなのかなって
答えにはなるから、それはそれでもういいんだー」
つきこさんはKYOのそばかすを「専属で」消している。
髪も整えているけれど。
どこかのグループってたぶんあのグループだと思う。
「つきこさん、そのグループってイタリアンの有名店から
超高給で女性リーダーの家にソムリエを引き抜いた人達かも」
「ああ、じゃあお酒飲みすぎたのかも。あとは冷たい
物、食べすぎたのかもしれないねー」
つきこさんもアルコールは入っていないけれど、冬でも
麦茶を作って冷蔵庫に入れて飲んでいる。たくさん。
「それは、美味しいけど体質に合わないお酒とか、もしや
ポカポカしてつらくて、アイスクリーム食べすぎたとか?
豪邸だからプールに入った後、よく温まらなかったとか」
僕も適当なことを言う。
頭にあるグループの、雰囲気がそうなんだもの。
その人たちじゃないかもしれないけれど。
「秀行さん、プールのある家なんてお金かかりそうだよね。
水道代もだけれど温水プールかもしれないし。忙しくて
体の調子が悪いのに無理していたのならお気の毒だけれど」
【お気の毒だけれど】KYOの出番は増えるね。つきこさんは
そういうことは言わないけれど。その人達は50mの温水プール
だって維持できるんじゃないかな。
「KYOの他に誰か来るの?」
「末竹さんと知神さんとナルツイッセのギターの人」
2人で苺のゼリーを食べていると電話が来た。
リーン・ベルベルベルベル