何か訳わからない辻堂君の電話・つきこさんと16歳年上の僕

1995年11月26日(日)お久しぶりの方からお電話でした。


かぼちゃを煮込んだうどんと思いきや、僕達は

トマトの煮込みうどんを食べ、ほかほか温かくなっていた。


つきこさんがお鍋に出汁をはっていてくれた。昆布ね。


「うどんとトマトがセットなんて素敵なお土産ね」


つきこさんは嬉しそうに言ってくれる。

そうかなあ。そこら辺のスーパーで買えそうな食材だよ。


ただ、希釈して煮込むためのつゆが美味しかった。僕は

今度同じの作ってやる!と久々に燃えた。



「あ、電話。ん?黒板な雰囲気がする」


リーン・ベルベルベルベル


つきこさんの勘はよく当たる。じゃ、隆君じゃないね。


「はい、徳浜です」 僕が出る。


「お久しぶりです。辻堂です」 黒板だ。


「うわー。お久しぶりです。また高校変わったの?」


「今年の4月から実はQ工業高校。いいのか悪いのか都内で

異動だから、電車と歩きで済むし、官舎から引っ越さなくて

済んだからね。ラッキーだったかなって思ってるよ」



辻堂君は僕の少し後、幼馴染(たぶん)と結婚。確か奥さんは

保母さん(まだ保育士さんとは呼んでいなかった)だった。


僕と同じ高校で3年間同じクラスで、都立高の国語教師になり

何とつきこさんを教えていたこともあるのだ。


「家から2駅。近くなったね。駅おりてバス使わないの?」


「別にかっこいいと思われる必要はないけど、30代じゃないし

少し運動の癖をつけたくて。歩き。20分位だよ」


僕は菓子製造後、家でも「菓子製造」をして食べる。


幸い虫歯はないけれど、もう節制しないと不味いかしら。


「Q工業でね、今3年生なんだけど、素人の僕が聞いても

ものすごくうまい軽音楽部の子がいるんだよ。確か佐粧君の

会社の所属に知神君て綺麗な子がいるよね、年齢不詳の」


い、います。わーごめんなさい。僕とはお友達かも。


「あの人、Q工業出て整備士やってたんだね。しかもねー

ここだけの話、来年36歳。僕は、いって28歳位かと思ってて

他の先生方に笑われた。僕は国語だから直接は関係ないけど

整備士目指す男子、急増中なの」


なんで?整備士になるともれなく佐粧隆が見に来るとか?


知神君の顔に近づけるとか?ないない。


「不思議な現象だね」


「【機械科出て真面目に仕事していた先輩】って大きいと

思うんだよ。同じ工業高校でも自動車科や、専門学校とか出ないと

実務経験年数が違ったり、試験の免除がなかったりするんだよね」


「Q高は自動車科、いまだにないんでしょう?」



「先生は、いそうなのにね。予算かなあ。話それたけどギターの

上手い子ってどういう学校行ったらいいのかなあ?専門家に

たずねたほうがいいのかな?エレキギターだし」


「それは僕を経由して佐粧君とか?」


「うーん。同級生だったけど忙しそうだしね」


17歳や18歳って難しい。人の人生が変わるかもしれないし。


「その子、もう普通だと進路決定しているよね。専門とか

大学とか、就職とか。親が何かやっていたら手伝うとか」


「フリーターに憧れてる。困ってるの。僕には懐いてくるし

早く生まれた子供なら18歳とかいても、僕達おかしくない年齢。

担任が鬱っぽいから月に5日位休むし、僕と話したいのかなあ」


自分のペースを崩さない辻堂君は、本当に学校の先生向きだ。


「話変わるけど、内田君のこと知ってる?」


「彼は元気みたいだよ。3ヶ月くらい前に電話が来たけれど

皆熱心で、すごく教えがいがあるんだって。人間てさ、皆が

同じ時に同じものを習うって、不思議に思えて来たって」


大学受験予備校(高校中退者クラス)で内田君は元気みたい。


内田君も辻堂君も僕と同じ高校で3年間同じクラスだった。

内田君も以前は都立高の英語の先生だった。


「とにかく僕は元気だけど、そのギターの上手い男子生徒の

親はフリーターはやめてほしいんだって。もしよかったら

君から佐粧君に、今から間に合う評判のいい学校とかあれば」


高校の先生の集めている情報より音楽なら佐粧隆が上かも。


「辻堂君のところに電話かけていいんだね?期待しないで

待っていて下さい」


「中西さん元気?、あ、間違えた。つきこさんは?」


「もうすぐ25歳だよ」


「うわー、僕もおじさんになるわけだ。そんなになった?」



なんか僕もそう言われるとおじさんになった気がしてツライ。