1995年11月2日(木)祝日前日・家に帰宅
お祝い事のあと・年齢は世間並だが「幼い」夫婦の会話。
「僕いいのかな。清水さんのお母さんにお車代を
こんなにもらってしまった。会費払わないでご飯食べて
プラスお礼位。僕は上手く歌えたのか気になってきたよ」
「佐粧さんが車乗せてくれたしね。お車代って交通費でしょ?
そのほうが受け取ってもらいやすかったんじゃない?KYOの
おめでたいいい歌だったし、プロと思われてるんだから」
清水さんもどうかしていると思う。佐粧隆に頼んだら
歌とギターで大変な金額になりそう。でも僕で良かったのか?
佐粧隆、隆君と清水さんは【写真家とヘア&メイク】として
縁があって友達になった。だから隆君はカメラマンを引き受けた。
「わたしは明美さんのお母様にポチ袋頂いた。ポチ袋ってね
こんなに大金入れちゃいけないと思うんだけれど」
お年玉みたいな袋だからこそ受け取りやすいんじゃないの。
当日の花嫁の気持ちの急変に対応して、うまく対応していたね。
そりゃあ、花嫁のお母さんは喜んだからだと思うよ。
男性の僕が言うべきことじゃないけれど、お友達がドレスに
光るアクセサリー、華やかなメイクや髪型だったからな。
主役の花嫁さんがシンプルな白いドレス(これはステキだった)に
【素顔】だと、何か理由があるのかとか思うし、最初からそうなら
つきこさんは必要ないと思うのだが。
僕の世代って親の願いを聞きつつも、勝手に動きたい。
清水さんのご両親も、明美さんのご両親も、これだけは、ってあった
と思うんだ。それが何かはよそ様のお宅だから知らないけれど。
「秀行さん、電話です」 つきこさんの電話前のお知らせ。
その後に電話が鳴る。僕にとっては不思議な現象ではなくなった。
「はい。どちらさまですか」
「ひでさん、明日は祝日なんだからたまには遊びに来なさいね。
2日間休むんだから、夕飯たべにつきこちゃんとおいで」
えええええ、2人でゆっくりしたいのにー。
「手ぶらで行く。早めの方がいいな」
「こっちが手ぶらでおいでって言うものよ。ひでさんから言って
どうするのよ。まあいいわ。お鍋にするから何か入れたいもの1つ
持ってくればいいわ。夕方5時頃来たら?」
「おじやにするんでしょ?卵4つじゃダメ?人数分だよ」
「もういいよ。つきこちゃんだけ連れておいで」
つきこさんがなんだか不思議な顔で僕を見ている。もしかして
「ケチ」とか思っているのかな?
「佐粧さんのお土産のパスタ、貝殻の持って行けば?
野菜の色素でカラフルなのもあったよね」
「あんなこじゃれたもの、母さん、使えないよ。あれは
僕が美味しいサラダにするから取っておきたいな」
「美味しいサラダ、持って行けば?」
あ、思い出した。僕とつきこさんの実家にって2袋多くもらった。
明日は2人の実家に行こう。