今日は2人で思いっきりゴロゴロ・つきこさんと16歳年上の僕

1995年10月21日(土)食料はある。眠るか読書か。



「つきこさん、今日は軽く食べて1日中ゴロゴロしよう」



「軽く食べる?えーと、玄関寒いから棚の上に昨日買ってきた

ドーナツおいてあるから、好きなの食べて」



「あらまあ、お土産があったんだね。嬉しいな。ありがとう」



これは温めなくても美味しいタイプのだ。ありがとう。

歯磨きして顔は熱いタオルで拭くだけ。(怠けてる)



牛乳飲んでチョコドーナツ食べてボーっとテレビ。



麦茶飲みたい。麦茶飲んでからまた歯磨きしてベッドへ。



ドーナツ食べてテレビ見ていたつきこさんも、歯磨きして

テレビ見ていたから、右手の脇に抱えて僕のベッドへ。



話し相手は必要だもの。



今の僕は昔に比べると相当おしゃべりだ。



小学校高学年から38歳まで、母とも父ともそんなに話をしな

かった。どちらかというと聞いているだけ。母が言うには子供の

頃は(2歳から7歳位までか)うるさい子供で困ったらしいが。



記憶にないよ。



仮にそうだとすると今第2次お話ブーム。ただしこの家の中でだけ。

外では物わかりのいい静かな人を演じている。少し自覚アリ。



「お話してくれないと眠っちゃうよー」



何それ、新手のハロウィン?TRICK OR TREATとか言うんじゃ

なかったっけ?異国の風習はここらへんの子ども会にはまだない。



「じゃあ、毎年1日だけ行く専門学校の話は?」


「【素晴らしい先輩を1日講師としてお招きしました】ってお店の

制服着て仕事道具持って行くやつ?来年もきっとよばれちゃうねー」



いつも水曜日の午前中とかだし、つきこさんは会社だし年1回なら

まあいいかと思っている次第ですが。



「お世話になった学校だけれど、休みが潰れるから正直面倒かな。

その当時の先生なんて全員いないし、校舎も綺麗で別の学校に

いっているような感覚だけれど。来年はどうかなー。危ないな」



コンテスト入賞しなかったら僕は和菓子科にとっては地味だろう。



「コンテストは大丈夫。講師はよばれなくても休み潰れないからいい。

よばれたら、憧れの目で秀行さんを見ている子のためにも行かなきゃ。

Hardyもすごいけれど、和菓子で尊敬のまなざしだよ」



「そうだなー、和菓子でパリにお店を出す会社もある時代だしね。僕は

異国は苦手。寺井君あたりは昔、パリで買って食べたのかな?あの学校

今はね、地方の和菓子店の後継ぎも結構来ている学校だから」



「じゃあ、お爺さんやお父さんを見ていて、もしかしたら大きな

お店で、熟練の職人さんがいたりして、目が肥えている子もいるんだ」



「そうだよ。つまらないかもしれないけれどでも、やっぱり基本かな。

きらびやかにしたり、凝った細工は、実家がお店ならそちらに従って

作れるように修業できるものね。僕は、質問と回答の時間が苦手だな」



○○を作る時、1番気を付けていることは何ですか?とかさ。

見もふたもないことを言うと、人によって異なるとしか言えないから。


「そういうときはどうするの?」


「質問される時間がなくなるように、実際に作って見せて回る」



「素敵だけれど、大変ね」



「見せたほうが早いよ。あとは課題みたいなのを出して簡単なものを

作っているのを見て回る。こうすると僕は作りやすいよって見せたり。

でもね、それも人によるから、無理にとは言わないの」



「じゃあ、講義じゃなくて、実習室みたいなところでやるの?」



「そう。それでいいですかって言ったらいいって言われた。

ホールに他の科も入れて90人の前で講義なんて僕には無理だよ」



何を話すか。話して通じるのか?疑問が自分に飛ぶ。



「うちの学校にも来たよ。ぶっ飛んでる美容師。今ではベンツに

乗っているとか、どん底に行った後は、這い上がればいいだけだった

とか、危険な人生の嫌な講師だった。役に立たない話だった」



どこの専門学校にもちょっとだけ話題の有名人ってくるんだね。

僕の場合は有名と言うより、コンテスト金賞だとよばれる。



「役に立たなかった?」



「今までもこれからもね。あの時、立って教室に戻る勇気のなかった

わたしが頭悪かったんだと思う。中学からヤンチャしていたとか、でも

学校では1番で返さなくていい奨学金もらったとか、自慢多すぎ」



「なるほど。自分のこと話していたら時間はたつし興味持って聞く子も

いる位有名な人なんだろうね。僕は自分のこと話したくないし。なんかね、

自分の時はこうでしたって言っても参考にならない気がするから」



なるわけないよ。あれ、なんか僕は沈んでいる。



「秀行さんは自慢話しない人。わたしはすごい人だって思うし

自分のこと話したくないのに無理やり聞こうとする他人には、別に

素っ気ない態度とかとっちゃえばいいのに」



アハハハハ。つきこさんこそ、そういうこと出来ないの知っているよ。



「お互いにね。なんか楽しい話をしよう」


「1人より2人の方があったかいね。ホカホカする」



「いい休日だなあ。食べ物飲み物はあるし、2人共パジャマだ」


「高校の時、演劇発表会で何の役やったの?」


そうきたか。つきこさんにはウソは言えない。その代わり僕も

同じ質問をしよう。



「1年生の時は、シンデレラの近所の男の子。原作にはない役」


「やっぱり、役を増やしてたんだ、先輩の時も」


僕の通っていた高校はつきこさんの通っていた高校でもある。だから

年齢は違っても先輩と言えなくもない様な。僕は、身長160㎝弱位で

入学したから、1年生の時はリアルに「男の子」の役が出来た。



つきこさんの質問は続く。