レッスンのお土産がすごい課題へ・つきこさんと16歳年上の僕

1995年10月15日(日)何が起こったのか教えてほしい。


「秀行君、疲れた」


「つきこさんが急に参加したから?ごめんなさい」



「違う。3人から1人選ぶのに【稽古】と称して5回ほど

様子を見ていた。それは決まったんだ。グラジオラスに入って

やっていける強さを持った子は1人いた」



女性バンド、グラジオラスは5人組で気が強くて自分にも

他人にも厳しいグループ。



ところが最近聞いたのは5人だけになると、1人1人は案外

子供っぽいとか。ただし他の人間にはわからないように、

当番を決めて「しっかりもの」を装っていると。



ありがちかもしれない。目指してきたものにそのままなった運。



そういうのって努力とか小さい頃からの泣く様な練習とかも

あっただろうけれど、突き進んで夢だった世界に入ってしまうと

なんとなく純粋で幼かったり。それを見せない様神経使うのか。



「僕は研修中とかデビューを決める大事な稽古では、おっかない。

でも、自分でもきちんとしているつもりだし他人が見てもこんなにも

しっかりとしているとは、思わないと思う。ホントに先生だよ」



「それは信じるよ。佐粧隆が音楽に関することで手抜きはしない」



英語の先生じゃなくて、音楽の先生なら公立の学校に教師で

入れたかも。音楽の免許はないはずだが、想像すると固い先生だ。



「姫に聞いた?知神に手伝ってもらっていたの」



「毎回でしょう?じゃあ知神君の意見も少しは聞いたとか?」



「選考には加わらないけれど、所見は書いてもらった。参考になる。

だって、知神って優しい顔して厳しいの。僕よりも細かい」



何の話だっけ?そうそう。つきこさんだ。



「つきこさんて、自己評価低いでしょ」



「んー。何でなんだろうね。でも今日は楽しそうだったよ。

青井に声だって褒められてたのに。まあ、青井に褒められても全く

嬉しくないと思うけれど。最後に4人が僕のピアノで1曲ずつ歌った」



青井さんてコーラス隊じゃないか。今はあまり遠くまで出かけない。

奥さんと赤ちゃんの洗濯やご飯を料理、冷凍したり、買い物したり。

とにかく声のプロだよね。なぜか隆君の(武闘派の)秘書だけれど。



「何歌ったの?」


「全員同じ、童謡。僕と輪唱した」



何て豪華な。つきこさんは隆君が扮する?別名義のKYOが好きだ。

同じ人間なんだから、KYOと一緒に歌う様なものじゃないか。



「姫は全く悪い声じゃないよ。大体【白薔薇】で歌ったでしょう?

なかなか白薔薇として活動できないけれど。もうプロだよ。今回は

そこらへん伏せてたんだけど、あとで会議が大変だったんだよ」



「だって、1人強い子?頑張れる子いたんでしょ?」



「他の2人も時期はずれるけれど、カスミ草に行くことになると思うね」



「それはそれは。お疲れ様でした」



会議。ROSSKASTANIEの会議なんて怖い。ときに人生が決まっちゃう。



「秀行君、Hardyのくせに他人事みたいに言わないでよ」



「つきこさんは【上手い人がいっぱいいるからわたしは歌を歌わないで

ギターの練習する】ってなんかひらきなおった感じでニコニコしてた」



「姫が?ダメじゃん。そりゃあ中級者認定の筆記免除の約束は僕は

しっかり覚えているよ。だけどシークレットライブはどうするの?」



「どうするのって花束渡すだけでしょ。Adalheidisのメンバー4人から

3人抜けて後ろへ行って、知神君と隆君が着替えて、僕とつきこさんと

合流。イサさんは休憩。【龍笛】を演奏する末竹君に花束を渡す、でしょ」



「白薔薇になっちゃったんだから1曲やりたいもん。でね、この場合は

知神は実はAdalheidisのボーカルでしょ?【白薔薇】で歌ったら大変でしょ」



バレているとは思うけれどね、まあ言いたいことはわかる。Adalheidisの

シークレットライブなんだから。



「だからね、姫に歌ってもらわないと困るの。コーラスに青井と高柳が

入るから、秀行君も頑張らないと、かすむからね。新曲1曲、以前の歌1曲」



「青井さん、年末に奥さん置いて平気なの?」



「奥さんが、たまには1日、朝5時から真夜中の26時位までいなくても

大丈夫よって言ったって。東京に慣れてきて、食事も自分で作って食べたい

んじゃないの?青井は過保護だから。もう赤ちゃん大きくなっただろうし」



赤ちゃんの健診の日は(歩いて行ける場所に保健所)午前中体が揺れていた

らしい青井さん。奥さんはちゃんとベビーカーが使えて近くに公園もある、

気分転換の散歩まで心配していたらしい。奥さんと子供が大好きなんだね。



「ちょっと、待って。1曲じゃなくていつの間にか2曲で、しかも

つきこさんは、メイクさんやる日じゃないの?」



「まさか。その日はメイクさんは呼ばない。2曲以外は指定席にいればいい」


ずいぶんともう色々と、たばかられている様だ。