◎なにごともなければいい休み・つきこさんと16歳年上の僕

◎1994年1月7日(金)・8日(土)朝


いつのまにかつきこさんが風呂掃除して風呂にお湯を

入れて「佐粧さんのパジャマ、タオル他」のかごを

用意していた。さっさと風呂入って寝ろという意味かな。


なんか常連宿泊者の人みたいになってきた隆君。

タオルや歯ブラシやパジャマも家から持って来たので

つきこさんが入れ物を作っておいたのだ。


「ここの家のお風呂、なんか広くて変だよね?」


「変?僕が手足伸ばせたらダメなの?」


「ううん。秀行君、さり気なくお金持ちだなと思う」


「ええ?残り湯で洗濯しても?すすぎはキレイな水だけど」


「洗剤入れるんだから関係ないって。秀行君は怪しいな」


つきこさんは客間の羽根布団が、僕が病後に使っていたもの

とは知らない。クリーニングして打ち直し?したんだよ。

そこそこキレイであたたかいはずだ。


隆君の次にお風呂で温まる。隆君のお風呂や洗面所や

シャワーの使い方やご飯の食べ方は実は美しいのだ。


褒めてあげたことはないけれど。子供の頃の躾なのか

自分で頑張ったのか。よくいう本当にいいおうちの子は

そういうことができるのでは?という感じ。


たぶんつきこさんが生理的に嫌だってならないのは

そういうのもあるんじゃないかと、僕は思う。



客間の横が図書室(じゃなくて本棚だらけ)で、その横が

つきこさんの部屋なので、人が泊るときにはつきこさんは

僕の部屋に来て寝る。スペースはある。大きめセミダブルの

下に布団も敷けるけれど、ベッドは広いから右と左に眠る。


「羽根布団てこんなに軽かったっけ?」


「秀行さん重みがある方が温かいって言っていたから

重いのに慣れすぎちゃったんだと思う」


「これで重い布団位温かいなら最高だねー」


2人ともすとんと眠ってしまった。僕の枕、朝よだれだらけ。

朝まで肩出さなかったよー。ありがとう、つきこさん。


朝の紅茶とトースト、ベーコンエッグに野菜のピクルス風

(キャベツ、ニンジン、セロリ、スライス生姜と鷹の爪等。

つきこさんが作る。簡単に野菜を食べたいときに使う)


「水曜日の知神君とHardyも大事なんだけど、昨日ね寺井君から

結婚披露宴の招待状が届いた。姫は金曜日に何か聞かなかった?」


「会社では聞かなかったです。あ、でも昨日郵便箱見ていない」


つきこさん速い。すぐ行って戻ってきた。


「あった。はい、秀行さん」


「隆君も同じのだよね?」


開けてみると、ごく普通の招待状だ。あれえ?


「何これ、普段着でお越しくださいって?」


「秀行君、その言葉を鵜呑みにしていいのだろうか?」


確かに平服っていうので略礼装位だと思うけれど、僕は

普段着で来いって言うのは初めて見た。あれ?3月じゃなかったの?

2月の初旬?どうしたんだろう?


「会社に行ったら僕、連絡とってみる。夜また電話かける。

2月の初旬てなんか割引でもあったのかな?ああ、叱られたら

怖いなあ。ばあああああとかぎゃあああああとか」


「招待しておいて叱るとかないでしょ?隆君心配しすぎ」


ハグは絶対禁止にしてから、つきこさんの頭をポンポンと

するようになった隆君。それもちょっと嫌なんだけど。


「普段着でお越しくださいの謎」は解けるのか?